はじめに
矯正治療は、歯並びや咬み合わせをきれいに整えることでしっかり咬めるようにすると同時に下に記載した二次的影響を予防することを目的としています。
見た目はもちろんですが、咬む機能と心身の健康を増進させようとする医療になります。
きれいに整った口元は、魅力的な明るい笑顔を生み出し、20歳を超えた大人だけでなく、成長とともに美しさに敏感になってくる子供たちにとっても、明るく、積極的な性格をもたらすきっかけになりえます。
これまでに当院でも、矯正歯科治療によって心が前向きになったという患者さんが多数いらっしゃいます。
そういった前向きな姿勢や、笑顔が見れると私達もとてもうれしく思います。
咬み合わせや歯ならびが悪いと見た目だけの問題ではなく、以下のような影響が出て来る可能性があります。
- 歯垢(プラーク)が停滞しやくなったり、歯磨きもしづらく、磨き残しが多くなるため、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
- 発音がしづらくなります。
- 咬み合わせや歯ならびの悪さが劣等感やコンプレックスにつながり、心理面に影響がでることもある。
- 力を入れてしっかり咬むことができないので、身体的な成長や脳の発達にも影響し、集中力の低下にもつながります。また、消化器官への負担もかかります。
- アゴの筋肉や関節に負担がかかることで、顎関節症を引き起こす可能性が増えたり、肩こりや腰痛、頭痛などが起きることもあります。
- 姿勢が悪くなることで、身体や顔に歪みがでてしまうこともあります。
矯正治療のリスク・副作用について
- 歯磨きがしっかりとやれていない事により、矯正装置の周りに虫歯、歯肉炎、歯周病になってしまう場合がございますので、毎日のブラッシングが非常に大事になります。ご来院の際に簡単なお掃除はさせていただきますが、ご自身でしっかりと歯磨きをお願い致します。
- 固い骨の中を歯が動く際には、必ず個人差であったり、調整具合によって差はございますが、初期反応として炎症が歯の周りに起きます。何となく噛むと歯が痛いなと感じるレベルから、痛み止めの薬を飲まれるぐらいのレベルの可能性もございますが、大体のケースは、3日から1週間前後で痛みが消失しますので、様子をみていただきます。
- 矯正治療により歯を移動させる事で歯の一部分が様々な原因により吸収してしまう事がございます。リスクを避けるために、出来るだけ弱い力であったり、ゆっくりと移動させる等の配慮、CT画像を見ながらなど、配慮させていただいております。
- 矯正治療が完了して、矯正装置を外したら何もしなくても良いわけでなく、必ず皆様後戻り防止のリテーナーという装置を使っていただきます。リテーナーの装置は取り外しが出来るもの・入れっぱなしのものと何種類かご用意がございますが、最初の歯並びの状況、最終的な歯並びの形態、舌の癖等の機能的な問題により、向いているリテーナー、向いていないリテーナーもございますので、リテーナーをお作りする際に、お話をさせていただいております。
当院における矯正歯科治療の流れ
1. 初診相談(30分〜60分)
患者さんの矯正治療に関する疑問などをお伺いします。矯正治療の大まかな流れ、治療の必要性、治療期間、おおよその費用について説明をさせていただきます。
2. 精密検査(60分〜90分)
患者さんの現在の歯並びの状態と骨格の問題を調べるために詳しい検査を行います。お口の診査、歯型の摂取、レントゲン撮影、顎の診査、お口・お顔の写真撮影などを行います。これらの資料をもとに治療計画を提案します。
3. 診断(30分〜60分)
精密検査結果をもとに患者さんに最良の治療計画、使用装置、治療期間、CT 解析による治療後のイメージ、お支払い方法の説明をいたします。安心して治療を受けていただけるよう、ご理解いただけるまでわかりやすく説明をいたします。
4. 矯正装置の準備、装着(30分〜60分)
矯正装置を装着する前にお口のクリーニングを徹底して行います。矯正治療に必要な装置を数回の来院に分けて装着し、矯正治療中のお口の中を清潔に保っていただくための歯磨き指導を行います。
5. 矯正装置着後:歯の移動(30分〜60分)
矯正装置により実際に歯を動かしていく期間です。成人の方は通常1ヶ月ごと、お子様は1~6ヶ月ごとに通院していただきます。毎回、矯正装置の調整、チェックを行います。
患者さんがご不安にならないよう、治療内容について随時説明をさせていただきながら治療を進めていきます。
治療経過確認のため、お口の写真撮影、歯型の摂取、レントゲン撮影を行うこともあります。
6. 矯正装置の除去、除去時の検査(30分〜90分)
歯ならびがキレイになったところで、装置をはずして歯の表面をぴかぴかに磨いていきます。装置の除去時には、歯型を摂取して、お口・お顔の写真撮影、レントゲン撮影をします。この資料をもとに治療結果を説明させていただき、矯正治療後の経過観察を行っていきます。
7. 保定、経過観察(30分)
歯の移動終了後、歯の後戻りの防止と噛み合わせ安定のために、患者さんそれぞれに合ったタイプの保定装置( リテーナー) という装置を使用していきます。 きれいな歯並びと噛み合わせを維持していくために必要なお口の管理をさせていただきます。
矯正装置をはずした直後は通常1ヶ月ごとに通院していただき、のち3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月ごとに定期的に観察していきます。